ごろりの手づくり茶【釜炒り茶編】

新茶の季節がやってきました!

ごろりは無農薬・無肥料で管理されてきた在来種の茶畑をお預かりして使わせてもらっています。
そこで育ったお茶の葉を手摘みし、地元の方々から教わった昔ながらの「釜炒り茶」の方法で製茶しています。

日本茶は初めに「殺青」という生茶葉を加熱して発酵を止め、茶葉の細胞をほぐして成分を出やすくする工程があります。
一般的な製茶では殺青のために蒸して加熱しますが、釜炒り茶の場合は炒ることによって熱を加えます。

今でこそ簡単に蒸せますが、昔ならまず、井戸から水を大量に汲んでと大変です。
家の庭に生えてるお茶を摘んで、台所で釜とカマドの火で炒る。
これまた家にあるゴザに出して手で揉み込み、また釜に戻して乾燥していく。

つまり釜炒り茶とは、家にすでに揃っている材料と道具で作られ、自家消費されてきたお茶なんです。
今風に言うとクラフトビールならぬクラフトティーなんです!

まずは薪火で熱した釜に生茶葉をドバッ!っといれて炒っていきます。
たまに圧をかけながら焦がさないようにして水分を飛ばします。
非常に重要な上、摘んでから殺青を終えるまで茶葉は発酵し続けているので時間との戦いです。

職人の皆さんは素手でやられるようですが、僕らは熱くて我慢できないので手袋をしながら。それでも蒸気で手袋の中が唸るほど蒸されてます。

しばらくしてお茶のいい香りが立ちあがり、水分がとぶ音も収まってきたら「揉捻」していきます。
茶葉を畳またはゴザ(ホームセンターなどにある半畳の畳で十分。)に出して体重をかけて一気に揉み込んでいきます。
熱いうちでないと揉めないので我慢して揉み続けると、お茶の成分でネバネバ粘りが出てきます。

この工程が終える頃には手に茶のアク?がびっちり。

揉んだ茶葉はほぐしてザルに広げ、熱がとれたら同じ工程をもう一度繰り返します。

茶葉は釜炒り特有の勾玉状になってきました。
この見た目から「玉緑茶」、「ぐり茶」なんて呼ばれたりもするそうです。

ごろりでは茶摘みと田植えの時期がちょうど重なります。
手に緑色のんが付いたままで田んぼで作業すると、泥と反応してなのか?手が緑色から紫色に!知らんと急になったらめっちゃキモいです。

魁!!男塾の影慶の毒手拳みたいで悪くなくもない。

ここからあとはのんびり、炭火でじんわり「火入れ」をしていきます。
ほうろくと呼ばれる素焼きの皿の上でゆっくりと乾燥させていきます。

お茶の香りが立ち上がってきたらザルにあけて冷まし、熱がとれたらまた火入れの繰り返し。火入れする度に色が濃く、香ばしくなってきます。

左が火入れ前、右が1回目の火入れ後。たった1回でこんなに変わる!

回数を重ねていくと見慣れたお茶っぽくなってきます。
すぐに飲み切る分にはこのくらいの乾燥で良さそうですが、長期保存できるように更に追い込みます。

極限にまで追い込むと白い粉をふいたようになり、そこまでいくと決してカビないそうです。

見た目はひじきのミイラやけどこれでバッチリ。

春の新茶としてはこれで出来上がり!
朝から新芽を摘んでから乾燥を終えるとすっかり夜になってます。

丸一日かけて作れる量はたったの400g程度!

これでも十分美味しいですが、更に「後熟」といって、秋まで涼しい場所で保存して熟成させると、角がとれてまろやかになります

「蔵出し茶」、「口切り茶」とも呼ばれ、古くは徳川家康に豊臣秀吉も春の新茶より好んで飲んでいたそうです。
なんか日本酒のひやおろしみたいですね。

新芽のフレッシュで爽やかな風味を楽しむなら春の新茶
熟成されたまろやかな旨味を楽しむなら秋の新茶・蔵出し茶

今年の新茶は後熟させてみてうまくいったら、少しですが秋の新茶として販売できればなぁと思っています。
梅雨が明ける頃には二番茶で紅茶とウーロン茶作りにも挑戦するので、また見てみてください!